私の会社、高く売れますか?
2016年12月13日
誰もが知りたいこの答え。
私も飲食店専門にM&Aアドバイザーを初めて9年が経ちますが幾度となくこの質問に出会ってきました。
答えは「わかりません」と答えることが多いです。。。
その理由は何故かを少しお話したいと思います。
M&Aにおける価格決定に影響する要素とは?
まず、売主は自社を高く評価し、買主は案件を低く評価することが多く利害関係が相容れないため正当な同じ目線での議論が難しいからです。よってM&Aアドバイザーは一般的なM&Aで用いられる計算方法や、業種、スキームに合わせた独自の理論に基づいた計算方法を提示し、それを土台に価格交渉をスタートさせることがほとんどです。
しかしながらそれ以外にも価格に影響する部分は多くあり、本日お伝えしたいのは以下内容です。
①特にネガティブな情報は一番最初に提示する
②連絡のやり取り、資料の提出は迅速に、丁寧に
③謙虚に、熱心に
そんなこと価格に影響するの?と思われがちですが大いに影響します。
①、②は売主様に特にお伝えすべき事項です。案件相談から資料の提示が必要以上に時間がかかってしまうとM&Aアドバイザーからの信用は低下し、買主に対しても優良案件として積極的に提案することをためらいます。それはM&Aの成約に重大な要素の一つに「スケジュールの共有」があるからです。
スケジュール感覚の一致が重要
売主、買主ともに時間経過とともに心情は変化し、また「待たされる状態」を嫌います。
経験豊富なM&Aアドバイザーであれば幾度となく「スケジュール感覚の不一致」でブレイクした経験もあるかと思います。
つまり、メールの返信、資料の提供速度が遅いと案件進行中にストップしてしまうリスクを考えるというわけです。もちろんそれを調整していくことがM&Aアドバイザーの手腕でもあります。③は買手様に特にお伝えすべき事項です。
良い案件であればあるほど、力関係は売主の方が優位に働くケースが多くあります。未上場企業のM&Aは売主と買主の合意なく取引が成立することはありませんので、相手の心象を察し、低姿勢且つ熱心に望まれることをアドバイスさせていただきます。
「高く売れますか?」の答えがYESになるかNOになるかは財務内容だけではなく、多くの取引過程の中で変化していくことを今回はお伝えできればと思います。