資料不足は損ばかり、売ろうと決断する前に準備はしておきましょう
2017年1月17日
1店舗の資産譲渡、複数店舗の事業譲渡、会社ごとの株式譲渡
これらスキームの違いよって当然売主が準備すべき資料は異なってきますが、必要書類がすぐに整わないことほど買手からの評価を下げることはありません。事前にどのような資料を要求されるのか知っておくことで、常日頃から管理体制を整えておくことも重要です。
スキームに関係なく、絶対必要となる資料
- 会社概要
- 対象店舗一覧表
- 対象店舗の賃貸借契約書コピー、図面
- リースがある場合はリース契約書コピー
- 店舗別月次損益推移表3年分以上
- 従業員一覧表(配属、役職、ポジション、給与のわかるもの)
- 固定資産台帳
株式譲渡になると当然株主名簿や決算書(別表も含む)3期分以上、就業規則、給与規定・・・
DD(デューデリジェンス)と呼ばれる法務・会計調査の段階になると通帳コピーや総勘定元帳、取引先一覧表とその契約書、従業員の雇用契約書・・・など多岐に渡って書類を用意します。
資料の管理から印象が大きく変わる
要求される資料がない場合、取引が成立しないかというと決してそうではありませんが、売買における価格交渉は減額対象となり売主に不利にはたらく要因となります。
また、これまでの経験上、これら資料がきっちりと揃っている、体裁が整えられている、そんな案件は必ず良い相手先が見つかります。ただの分析資料ではなく、それらから読み取れる会社組織の体制やオーナーのマメさ、誠実さから店舗の管理状態、総合的な印象が大きく変わるのです。
店舗や事業、会社を売却するかどうか、先のことはわかりませんが、いつでもそのような状態になった時に対応できるよう最低限売買に必要とされる資料が管理され、提出できる状態にしておくことは日頃の経営においても意識されてみてはいかがでしょうか。