飲食店運営に必要な従業員数は何名ですか?
従業員が何名必要かということは、店舗の規模やレイアウト、客席数はもちろんのこと人件費率など様々なことを考慮して割り出す必要があります。
必要な従業員数の決め方にはいろいろありますが、店内のテーブル数や客席数をもとに目安を設定するのが一般的です。店内の大きさや収容人数によって各店舗でそれぞれの設定値も異なりますが、ピーク時を基準にして客何名に対してスタッフを何名、何個のテーブルに対してスタッフを何名配置という具合に基準を決めるのです。また飲食店では接客を主に行うホールスタッフだけでなく、調理や洗い物などを行うキッチンスタッフも必要です。どのような業務をどのような分担で行うのかを明確にした上で、各ポジションに何名必要なのかを判断しましょう。
そして雇用形態も決めなければなりません。正社員として雇用するのとアルバイトとして働いてもらうのとでは、報酬や責任とともに就業時間にも違いが生じます。シフトモデルを作成してみて必要な時間、場所にきちんと人員が揃えられるかどうかの検証を行ってみるというのも有効です。また給与額の設定には最低賃金を下回らないようにしなければならないというルールがあります。最低賃金は地域別、産業別に定められていますので確認しておきましょう。
採用人数、雇用形態、給与額の決定には、売上高人件費率から見て適正かを見極めるというのも重要なポイントとなります。売上高人件費率とは売上に対する人件費の割合で、人件費÷売上で求めることができます。飲食店の売上高人件費率は概ね30%代となっていますので、その割合に近い設定ができるよう調整することも必要です。
採用人数を決める際に注意したいのは、離職する人数も考慮に入れて採用を行うかどうかということです。雇用したすべての従業員が退職せずにいてくれればベストですが、もし離職者が出た場合には、また時間と費用をかけて採用活動を開始しなければならないことになります。予防策として予想される離職者数を補える人数を採用しておくということも考えられます。