飲食店で食中毒が発生した場合はどのような対応を取ればいいでしょうか?
お客様から食中毒だと連絡があったら
お客様から食中毒だと連絡があったら、お客様の症状と発病日時、飲食日時、飲食物を確認します。
そして速やかに病院や保健所など公的な第三者に連絡し、本当に食中毒かどうかの判断を仰ぎます。
お客様への説明は?
お客様には、店側に責任があるか否かは、医師や保健所が判断する旨を説明しましょう。行政が食中毒に関する調査を開始するには、医師がお客様を食中毒であると診断する必要がありますので、お客様には病院への受診をすすめましょう。
食中毒の原因は、保健所主導による検便や収去検査(抜き取り検査)、立ち入り検査などから特定していきます。これらは食中毒と飲食店との関係性を明らかにするための調査ですので、店側は進んで協力する必要があります。もしも保健所からの指示を無視すると、行政処分(営業停止や営業許可取消など)が下されることもありますので注意してください。
誠意のある行動が大切
飲食店の対応で最も大切なのは、お客様への誠意ある行動です。例えば食中毒を起こしたお客様のいる病院へ向かい話を伺うことや、病院の受診費用を店が負担するなどが挙げられます。店側に非がある場合は、お客様へ精一杯の謝罪と補償を約束すると同時に、示談交渉に入ります。店舗賠償責任保険に加入していれば、保険会社に示談についての相談をしましょう。店舗に非がない場合でも、行政による食中毒検査の結果通知は経営者自身がお客様の自宅まで出向いて報告すると良いでしょう。
以下では食中毒を防ぐための3つの対処法を紹介します。
食中毒を防ぐための3つの対処法
付着させない
食中毒を起こしやすい食品としては肉類、魚介類、卵、およびそれらの加工品などの生鮮食品が挙げられます。とくに加熱していない料理に多くみられ、調理に使用した包丁やまな板などの器具に菌が付着することもあるため、調理器具の洗浄はこまめにするよう心がけましょう。
増殖させない
菌は5℃以下の環境で増殖が鈍り、-15℃以下になると増殖が停止するため、食材の保存方法は冷凍保存が望ましいといえます。解凍後は菌の増殖が再開するため食材はなるべく一度に使い切ります。また菌は水に溶けている栄養分を摂取するので、水分のない環境では増殖できません。可能な食材は乾燥保存し、調理器具も洗浄後はきちんと乾燥させるようにしましょう。
殺菌する
加熱処理によって菌を死滅させましょう。調理食品の中心部温度が75℃以上(中心以外は65℃以上)の状態で1分加熱することでほとんどの細菌は死滅します。ノロウイルスのように耐熱性の菌も存在しますが、こちらは中心部温度が85~90℃で90秒以上加熱すると殺菌できます。