飲食店の固定費にはどのようなものがありますか?

固定費と呼ばれる「売上に関わらず支払い額が変動しない費用」にはいくつかの種類があります。以下では飲食店経営を想定した、基本的な固定費を紹介します。

【地代や家賃】
賃料や共益費、売上歩合家賃などを合わせた費用です。

【減価償却費】
車や建物などは古くなれば資産価値が減少します。この資産価値の減少した分を減価償却費といいます。

【支払利息】
銀行や信用金庫などの金融機関や取引先からの借入金に対して支払う利息です。

【リース料】
リースを利用した場合にリース会社へ支払う料金です。リース料にはリース物件の取得価格、諸税、資金調達コスト、保険料、リース会社への手数料が含まれます。

【固定契約料】
電気、水道、ガスなどの光熱費には固定費と変動費の両方が含まれています。基本使用料によって毎月必ずかかる分は固定費、期間内使用料によってかかる分は変動費となります。

【人件費】
正社員の給与は固定費と考えましょう。ただし飲食店において、パート・アルバイトなどの人件費は変動費として考えられることが多くなっています。飲食店では時間帯によってお客様の数に大きな波があり、パート・アルバイトのシフトはこれによって変わってくるため人件費は変動費がメインとなるのです。

固定費は損益分岐点にも関わる重要な数値です。固定費は高ければ高いほど損益分岐点達成の難易度も上がりますが、簡単に削減することができるものではありません。

無理に固定費削減を行うと、経営悪化につながってしまう場合もあるので注意してください。例えば賃貸物件のオーナーに賃料引き下げをしつこく交渉し関係が悪くなってしまうと、オーナーからの親身なサポートが受けられなくなる可能性があります。あるいは、人件費削減で正社員の給与を減らすと店舗サービスの質も落ちてしまう恐れも出てきます。固定費に関わる値下げは慎重に行いましょう。

損益分岐点について詳しく知りたい場合は「損益分岐点を計算する方法は?」をご覧ください。

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