接客のマニュアルを作っておく必要はありますか?
接客は常にケースバイケースのため、考え方や行動の土台となるマニュアルは必須です。
接客とはお客様と関わる直接的なサービスのことを指します。接客の現場ではお客様に合わせた対応をするので、サービス内容には不確定要素が多くなってしまうのです。
お客様から見た店舗の印象は、対応する従業員の人柄や雰囲気に左右されやすいといえます。つまりすべての従業員に、お客様に好印象を与えられるようなマナーや言葉遣い、コミュニケーションなどを接客マニュアルとして浸透させることが重要となります。
接客マニュアルを作成するメリットを2点紹介しましょう。まず接客マニュアルがあることで、従業員の作業効率が向上します。新人教育の場合、新しい人材が増える度に初歩から教えていれば、時間と労力がかかり過ぎてしまいます。もしも毎回同じ説明を繰り返すのであれば、マニュアルを作成し、それを読むだけで接客の下地が出来上がる方がより効率よく新人教育ができるのです。
次に、従業員全体の行動指針ができることもマニュアルを作る利点となります。接客マニュアルがあることによって、従業員は接客中の判断について悩む機会が減り、管理職は従業員の行動で注視すべき点がはっきりするでしょう。どのように動けばいいか、という正解を作ることで、全員がまずは100点を取るための動きを取ることができるのです。
接客マニュアルを作る際のポイントが3つあるのでご紹介しましょう。
【誰でもできるようにする】
全従業員が一定以上の良い接客をできるように、場面ごとの行動をマニュアルで示すようにします。接客の基本となる挨拶やおじぎの作法、用語の意味、店舗特有のノウハウやコツをわかりやすくすると良いでしょう。
【行動の目標を明確にする】
例えば「おすすめを10人以上に注文して頂く」といった目指すべき目標を明確にしましょう。ただ単に「おすすめをできるだけ注文して頂く」とするだけではいけません。具体的な目標があることで、従業員はどのような振る舞いをすることが望ましいのか理解しやすくなります。また従業員同士で目標を共有することで、自然な協力体制が築かれていきます。
【自発的な行動を促す内容にする】
接客マニュアルにおいてすべての行動を縛るのではなく、従業員が成長に向けて自発的な行動を取れるようにしましょう。例えば「メニューの説明をする」という項目があるとすれば、説明すべき点のみ指導し、あとは個々の工夫で補ってもらいます。この工夫を朝礼や会議で発表し合うことで、それぞれの従業員がよりお客様を惹きつける説明を模索するようになるでしょう。