接客時に間違えやすい言葉遣いを教えてください

接客の際の正しい言葉遣いは重要です。正しい言葉遣いは、「お客様を大切にしている」という気持ちを伝えられるからです。とくに初めていらっしゃるお客様にとって、店員の言葉遣いはそのままお店に対する印象になりかねません。ここでは間違えやすいフレーズの一部をシーン毎にご紹介します。

【入店~席案内】

☓ 店内でお召し上がりですか?
◯ 店内で召し上がりますか?

※「お」も「召し上がる」も敬語表現なので、「お」+「召し上がる」だと二重敬語となってしまいます。

☓ こちらでお待ちいただく形になります。
◯ こちらでお待ちいただいております。

※このような「~の形になる」という使い方は日本語として間違いです。「ナイフでリンゴの皮を剥いてウサギの形になる」というような場合にのみ使えます。

【着席~注文】

☓ よろしかったでしょうか?
◯ よろしいでしょうか?

※「よろしかった」は過去形です。過去の話ではないので、この状況で過去形を使うのは間違いです。

☓ こちらがメニューになります。
◯ こちらがメニューでございます。

※「~になります」は変化を表す言葉です。「こちら」が「メニュー」に変化するわけではないので、この場合は使えません。

☓ コーヒーと紅茶どちらにいたしますか?
◯ コーヒーと紅茶どちらになさいますか?

※「いたす」は謙譲語で、自分を低くすることによって相手を高める言葉です。選ぶのはお客様なので、この場合、尊敬語「なさる」を使うのが正解です。

【料理提供時】

☓ 飲み物のほうをお持ちしました。
◯ 飲み物をお持ちしました。

※「~のほう」は方向を表す言葉なので、この状況では適切な言葉ではありません。

☓ お待たせいたしました。和風ハンバーグのお客様。
◯ お待たせいたしました。和風ハンバーグでございます。

※「和風ハンバーグのお客様」では「お客様」=「和風ハンバーグ」ということになってしまいます。正しい日本語ではありません。

【会計~送り出し】

☓ (お釣りがない場合)丁度お預かりします。
◯ (お釣りがない場合)丁度いただきます。

※お釣りがない場合はお客様に返すお金はないわけですから、「お預かり」は間違いです。

☓ レシートをお返しいたします。
◯ レシートでございます。

※レシートはお客様に渡すものであって返すものではありません。

接客時の正しい言葉遣いを紹介してきましたが、言葉は時代によって変化していくものです。文化庁の文化審議会答申でも世代による言葉遣いの多様性を認めています。とはいえ、お店にいらっしゃるお客様は年齢も好みも様々ですので、どんな方にも気持ちよく利用していただけるように、一定の正しい言葉遣いを学んでおくと良いでしょう。